バイトを円満に辞めるには、マナーを意識した行動と感謝の気持ちが伝わる挨拶が重要です。
お世話になった方々へは、相手の負担にならないタイミングで適切な内容の挨拶を行う必要があります。
今回は、これからバイトを辞める皆さんのために、意識すべき基本の退職マナーと挨拶の適切なタイミングや例文をご紹介します。
「どのタイミングで退職の挨拶をすればいいかわからない…」
「感謝の気持ちが伝わる挨拶の例文があれば知りたい…」
など、バイトを退職する際の挨拶に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください!
バイトを退職する際に必要な基本マナーとは?
バイトは、こちらからの一方的な挨拶で即座に辞められるものではありません!
『立つ鳥跡を濁さず』で円満かつスムーズにバイトを辞めるためには、基本のマナーや手順を意識した行動をとることが大切です。
ここでは、3つのポイントをご紹介します♪
退職の意思は早めに伝える
バイト先から「急に辞められると困る!」「人手不足だからもう少し長く働いてくれ!」といった引き止めにあわないためにも、バイトの退職意思はなるべく早く伝えることが大切です。
バイトを含む労働者は「仕事を辞めたい」という退職意思をいつでも勤務先に申し入れることが可能です。
従業員と会社の間に契約期間の定めがない場合、適切な流れ・方法で申し入れをすれば、退職意思を伝えてから2週間でバイトを辞められますよ◎
しかし、バイトの退職意思を店長や上司が気持ちの面で受け入れられるかどうかは、また別の問題です。
自身の退職意思を快く受け入れてもらうためにも、なるべく早めに伝えましょう。
口頭で直接退職を伝える
退職の意思は、直属の上司に会って『口頭』で『直接』伝えるのが基本です。
電話・メール・LINEなどの連絡手段を使えば、相手の顔を見ることなく簡単に退職意思を伝えられるかもしれません。
しかし、たとえば自分が送ったLINEメッセージに既読がついたにも関わらず、上司がその内容を読んでいなかった場合、退職意思は伝わってないことになります。
その場合、退職前に『言った・言わない』のトラブルになることも考えられるでしょう。
また、先輩や同僚を経由して上司の耳に入るのもマナー違反です。
LINEやメールの場合、メッセージを送信してから上司が内容を確認するまでに、タイムラグが生じる可能性も高いです。
メッセージが読まれる前に外部から上司の耳に入る状況を防ぐためにも、退職の意思は『早め』に『口頭』で『直接』伝えましょう。
なお、バイトの基本的な辞め方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
「対面で直接伝えるのは難しい…」とお悩みの方は、ぜひチェックしてください♪
>>バイトを辞めたいけど言いづらい?退職の伝え方をわかりやすく紹介!
制服や備品をきちんと返却する
会社から借りている制服や備品を退職後も返さないままにしていると、業務上横領罪にあたる可能性があります。
何らかの事情で返却に行けない場合は、宅配便や郵便などを活用するのも一つです。
退職の意思を伝える際に、返却方法についても上司に相談しておくと良いでしょう◎
また、会社によっては退職届の提出を求められることがあります。
退職日にバイトを辞めて全てをすっきりさせるためにも『返すべきもの』と『提出すべきもの』は早めに確認しておくことが大切です。
【ケース別】退職の挨拶をするタイミング
バイトを辞める際は、これまでお世話になった上司や同僚に感謝の気持ちを伝えたうえで、気持ちよく円満退職したいものですよね。
しかし、お客さんが絶え間なくおとずれる飲食店であったり、シフト勤務の職場だったりする場合、どのタイミングで挨拶や声掛けをしたらいいのかがわからないこともあるでしょう。
ここでは、退職の挨拶をする相手別に、最適なタイミングと注意点をご紹介します。
店長や責任者へ報告するタイミング
店長や現場責任者にはこれまでお世話になってきたわけですから「辞めることになりました~」と何かのついでにサラッと伝えるのではなく、改まった場できちんと報告することが大切です。
伝えるタイミングとしては、業務が落ち着いている時間帯やシフトの前後などがおすすめです。
落ち着いた場だと『退職を決意した理由』や『感謝の気持ち』をきちんと伝えられます。
場合によっては店長から「◯◯のやり方をAさんに引き継いでいってもらえるかな?」といった話があるかもしれませんので、相手が店長や現場責任者の場合は、早めに退職の挨拶をすませておきましょう。
直接話す場合の注意点
店長や現場責任者に退職の意思を受け入れてもらって円満退職するには、言葉遣いや態度に気を配ることも大切です!
本当の退職理由が上司や職場への不満である場合も、それを直接伝えるのは得策ではありません。
スムーズな退職を目指すのであれば、これまでお世話になったことへの感謝の気持ちを穏やかに伝えましょう◎
同僚やスタッフに挨拶を伝えるタイミング
同僚には、最終出勤日や業務終了後を狙って退職の挨拶を行いましょう。
これまで1度も同じシフトに入ったことがなかったり、関わりが薄かったりする人に対しては、簡単な挨拶でよい場合もあります。
一方で、新人期間の研修でお世話になった先輩やシフトが一緒になることが多い同僚に対しては、具体的で丁寧な挨拶が必要です。
バイトを退職する際に使える挨拶の例文集
はじめてバイトを辞める場合、誰にどういう挨拶をすべきなのかがわからないかもしれません。
挨拶の内容は、伝える相手・使用するツール・シチュエーションでも変わります。
バイトの退職に向けて準備を進める際は、これから紹介する例文集を参考にして、円満退職につながる挨拶を考えてくださいね♪
店長や責任者へ挨拶する場合
店長や責任者への挨拶では、同僚に対するものより丁寧かつ具体的な内容が必要になりますよ!
例文とポイントを見ていきましょう♪
退職理由を丁寧に伝える
店長や責任者への挨拶では『退職理由』+『感謝の気持ち』をセットで伝えましょう。
例文は以下のとおりです。アレンジして使ってくださいね♪
〇〇店長。義母の介護を理由に、◯月◯日付けでアルバイトを辞めさせていただくことになりました。
店長やマネージャーと一緒に働くなかで、飲食業の楽しさを知りました。オーダーミスが多くご迷惑をおかけすることもたくさんありましたが、丁寧にご指導くださりありがとうございました。
今後は地域のお客さんのひとりとして、お店の売上に貢献させていただきます。店長のご活躍とこのお店の発展を祈っております。これまで本当にお世話になりました。
短期間のバイトで退職を伝える
最初から短期契約と決まっていたり、何らかの理由で入社後すぐに辞めたりする場合は、上記でご紹介したほどの具体的な理由・エピソードは入れなくてもかまいません。
ただし、自分がその仕事を気に入っていて、次の募集の際もバイト先から声をかけてほしい場合などは、丁寧な挨拶をして責任者に良い印象を与えておいたほうがよいでしょう。
例文は以下のとおりです。
◯◯課長。7日間、大変お世話になりました。
申込書類のチェック業務ということで最初はとても難しそうだと思いましたが、◯◯課長をはじめとする皆さんにサポートしていただき、なんとか自分の仕事をやり遂げることができました。感謝の気持ちでいっぱいです。
今後また類似の募集がありましたら、お声掛けいただけますと幸いです。皆さんのご活躍を祈っております。本当にありがとうございました。
同僚へ挨拶する場合
同僚への挨拶は、店長や責任者とは違い『直接伝えられたらなお良い』という感じです。
シフトがまったく合わず、退職日までに顔を合わせる機会もない場合、LINEやメールを活用しても良いでしょう◎
ここでは、同僚に対する挨拶について、伝え方別のポイントと例文をご紹介します。
直接伝える
同僚への挨拶は『感謝の気持ち』を中心に伝えましょう。
お互いのプライベートを知る関係であれば『就活のため』や『義母の介護のため』といった理由を打ち明けてもよいですが、言いづらければ『一身上の都合』で問題ありません。
例文は以下のとおりです。
一身上の都合により、今日でアルバイトを辞めることになりました。
クリスマスのイベント販売で、Aさんたちに支えてもらったことは今でも忘れません。あの日は本当に楽しかったです。私にとって一生の思い出になると思います!
本当にお世話になりました。ありがとうございました。
LINEやメールで伝える
退職日までに会えない同僚には、LINEやメールで挨拶をしましょう!
これらの方法を使う場合は、件名や本文に自分のフルネームを入れることが大切です。
メールの場合は、メッセージの見落としを防ぐために、たとえば『【退職のご挨拶】◯◯◯◯(フルネーム)』のようにわかりやすい件名を設定しましょう。
親しき仲にも礼儀ありです。
丁寧な言葉を使うことで感謝の気持ちが伝わりやすくなりますよ◎
例文は以下のとおりです。
件名:【退職のご挨拶】◯◯◯◯◯(フルネーム)
Aさんお疲れさまです。
アルバイトの◯◯◯◯(フルネーム)です。
私事で恐縮ですが、一身上の都合により◯月◯日でアルバイトを辞めることになりました。
本来であれば直接ご挨拶したいところですが、退職日まで同じ時間帯のシフトがなかったため、LINEでご挨拶した次第です。
Aさんには、キッチンの仕事でたくさん助けていただきました。
トレーニングの悩みや仕事の愚痴なども聞いていただき、とてもありがたかったです。
大変お世話になりました。
最後になりますが、Aさんの益々のご活躍を心よりお祈りしております。
本当にありがとうございました。
◯◯〇〇(フルネーム)
お世話になった人に個別で伝える
自分を育ててくれた先輩トレーナーや仲が良かった同僚などには、具体的なエピソードを盛り込んだ感謝の気持ちを個別に伝えるのがおすすめです。
例文は以下のとおりです。
A先輩、私は◯月◯日付けでこのお店を辞めることになりました。
退職を決めた理由は、A先輩とお仕事するなかでサービス業の楽しさを知り、もっと大きなフィールドで正社員として頑張ってみたいと思ったからです。
新人時代の私は「いらっしゃいませ」も言えず、仕事の覚えもかなり悪かったと思います。
でも、Aさんはそんな私を見離すことなく、とても丁寧にサポートしてくださいました。
私が1年でトレーナーになれたのは、Aさんのご指導があってこそです。
◯月からは別の職場で働きますが、実家に戻ってきたときにはお店にも顔を出すつもりです。
これまで本当にありがとうございました。Aさんのご活躍をお祈りしております。
最後の出勤日に全員へ挨拶する場合
職場に朝礼や終礼などの『メンバー全員が集まる時間』がある場合、最終勤務日に時間をもらって全員の前で挨拶をするもの一つです。
短く簡潔に感謝を伝える
特に朝礼の時間帯は、開店や始業準備などに追われて気分的にも忙しいことが多いです。
そんななかで挨拶の時間をもらう場合は、感謝の気持ちをメインに手短に伝えましょう。
例文は以下のとおりです。
皆さん、おはようございます。
アルバイトの◯◯◯◯です。
私事ですが、家庭の事情により本日付でアルバイトを辞めることになりました。
1年半と短い期間でしたが、皆さんにはたくさんお世話になりました。
皆さんの益々のご活躍と、このお店のご発展を心よりお祈りしています。
いままで本当にありがとうございました。
退職の挨拶に関する注意点
退職の挨拶には、注意すべきいくつかのポイントがあります。
ここでは3つの注意点をご紹介します。
前向きな言葉で締めくくる
退職の挨拶は、ポジティブな文章で締めくくりましょう!
退職理由が『介護のため』や『病気のため』といった場合、ネガティブな内容になりがちですが、『楽しい仕事だった』『これからの発展を願っている』などの文章を入れることで前向きな内容になりますよ◎
事前に挨拶の内容をまとめておく
店長や責任者などのいわゆる『偉い人』の前で挨拶をする場合、緊張のあまり話す内容を忘れてしまう可能性があります。
大事なシーンで緊張しやすい人は、絶対に伝えたいポイントをあらかじめ整理したり、簡単な原稿を書いて持っていったりしても良いでしょう◎
短い時間で感謝の気持ちや大切な想いを伝えるためには、しっかりと事前準備をすることも大切です。
感謝の気持ちをしっかり伝える
『感謝の気持ちをしっかり伝える』ことは、すべての相手・方法・シチュエーションに共通するポイントです。
バイト先の繁忙期やトラブルなどでじっくり挨拶するのが難しくても「ありがとうございました」と「お世話になりました」は必ず伝えましょう!
「ありがとう」の気持ちをしっかり伝えられてこそ『終わり良ければ全て良し』の円満退職が実現しますよ。
【番外編】退職する際にお菓子を渡すときの注意点
バイト従業員が退職する場合、お菓子は用意しなくてもかまいません。
言葉での挨拶だけで問題ないでしょう。
しかし、なかにはこれまでお世話になった方々に「美味しいお菓子を食べてほしい!」や「言葉だけでは感謝を伝えきれない!」といった気持ちになる方もいるかもしれませんね。
では、バイトが退職時にお菓子を配る場合、どういったものを選び、どのような方法で渡せばよいのでしょうか?
ここでは、バイトを辞める際にお菓子を渡すときの注意点を3つご紹介します。
日持ちがする個包装されているものを選ぶ
手間をかけずにパパッと渡すためにも、お菓子は個包装がベストです!
バイト先でトラブルが起きていたり忙しかったりすると、ゆっくりお菓子を食べている場合ではないこともあるでしょう。
勤務先にお菓子を持って行くときは、こうした状況を想定して『常温保存できるもの』や
『日持ちがするもの』を選ぶのがおすすめです。
また、お菓子は『感謝の気持ちに添える』イメージで渡すものなので、高級なお菓子である必要はありません。
1人あたり100円前後が相場になりますよ。
最終出勤日に渡す
お菓子を退職の数日前に渡すと「お礼をしなければ!」「何かプレゼントを返したい!」などと気を遣わせてしまうかもしれません。
お菓子はあくまでもこれまでの感謝の気持ちを伝える意味で渡しているわけですから、余計な気を遣わせない配慮も必要です。
お菓子を渡すタイミングは、自身の最終勤務日がおすすめですよ◎
なるべく全員に手渡しで渡す
「これまでお世話になりました!よろしければ召し上がってください!ありがとうございました!」の言葉を添えて、なるべく一人ひとりに手渡ししましょう。
お世話になったのにも関わらずなかなか会えない人に対しては、少し早めに渡すのも一つかもしれません。
バイト先の繁忙期やトラブル対応などで一人ひとりに手渡しするのが難しい場合は、お菓子の箱に「これまでお世話になりました!よろしければ召し上がってください!ありがとうございました!」と書いたメッセージカードを置いておくと良いですよ◎
適切な挨拶とマナーでバイトを円満退職しよう!
今回は、バイトの円満退職につながる挨拶とマナーのポイントをご紹介しました。
マナーを意識した適切な手順で退職手続きを進め、お世話になった方々への挨拶をしっかり行うと、職場の人たちから「健康に気をつけてね!」「地元に帰ってきたら店に寄ってね!」などの温かな言葉をかけてもらいやすくなりますよ♪
この記事が、あなたの円満退職の手助けになることを願っています◎